当社は「不動産賃貸業の資産管理法人」で大家さんとして熊本県内にて150室ほどの賃貸住宅を購入運営してきました。
主に築古物件で、
構造は木造、軽鉄、重鉄、RC
築年数は新築~築42年
です。
様々な管理会社ともお付き合いをしてきております。
賃貸経営で、常々感じていたのが、
退去時に管理会社から呈示される現状回復工事の金額が高い
本当に妥当なのか。
という思いでした。
そして、高額な見積もりに頭を悩ませながら、少しずつ、自社施工をしていくようになりました。
今では、清掃を除き、退去時の現状回復工事のほとんどを自社施工しています。
この過程で、気付いた事は、
大家力(知恵と工夫)次第で、現状回復費は抑えられる。
ということです。
この知恵と工夫は、誰が考え、誰が持っておく必要があるのかは、大家さん自身です。
管理会社や現状回復業者は、大家さんの懐事情なんて、考えてくれません(笑)
一般的な退去後の流れは、
➀ 業者が現地に行き、汚損・破損・交換箇所などにマスキングテープを貼る。
② 業者が上記箇所の見積もりを作成し、管理会社に提出
③ 管理会社は業者見積書に手数料を乗せ、大家に提出。
という流れになります。
管理会社によっては、業者が呈示した見積書が本当に必要な工事か確認する会社もありますが、そのような管理会社は少ないと感じています。
築古物件や入居が長い物件であればあるほど、多額の見積書となります。
築浅で、クロスの汚損程度であれば、管理会社が業者に対し、「㎡○○円で施工」と依頼しているので、業者が㎡数をごまかさなければ、一般的な価格に収まります。
しかし、築古になり、汚損・破損・交換箇所が多くなると修繕費をコントロール出来ないと途端に賃貸経営が悪化します。
不動産投資の動画などで、
築古物件は初心者はおすすめしない。
初心者は新築か築浅がオススメ
と言われているのは、築古物件は修繕費をコントロールして、入居者を確保するという大家力が求められるからです。
逆にこの大家力が付いてしまえば、購入出来る物件の幅が広がるのも事実です。
また、昨今の金利・火災保険の上昇は大家さんではコントロール出来ませんが、修繕費は大家さん自身でコントロール出来る部分です。
その為、この修繕費をコントロール出来るかどうかが、築古物件をうまく運用出来るかどうかのポイントになります。
話を戻すと、高額な修繕見積もりを貰った大家さんの頭の中は、
なぜ、こんなに高いのか。もっと安く出来ないのか。
本当に妥当な金額なのか。こんな大金は、直ぐには払えない。
そもそも、お金を掛けてリフォームして、入居者はいるのか。
と考え込むことが多くなると思います。
退去が続いた時は、悲惨です。
金融機関からの借入がある場合はとても悩むことがあると思います。
そして、管理会社の呈示した見積りを
「発注するか」「発注しないか」
の選択を迫られるのです。
悩まれる方は、「実際に現地に行って妥当性を確かめる方」や「別業者に相見積もりを頼まれる方」もいると思います。
しかし、結局、同じ工事を頼むのであれば、見積り金額はそう大きく変わらないと思います。
では、どうすれば良いかと言うと、
リフォーム工事の内容を変更
するのです。
当社が経験した一例をお話しします。
築29年の木造ファミリー12世帯の物件の1室の現状回復見積もりの際に、60万という高額な見積もりが管理会社から届きました。
その見積もりが届いた後の私と管理会社、業者とのやりとりはこうです。
管理会社:「今回はキッチン交換が必要ということで、高額になってます。ご検討ください。」
私:「キッチンは何か壊れているのですか?まだ問題なさそうですが(現地確認後)」
管理会社:「業者が交換が必須という事でご提案していますので。ご検討下さい。」
業者:「キッチンが古く、扉の下の表面が剥がれてきているので交換が必要です。」
私:「まだ使えますし、ダイノックシートを張って対応してもらえますか?」
業者:「そのような施工はしていません。」
というやりとりをしました。
そして、結局は自社でダイノックシートを張り、キッチンを見栄え良くして、業者に頼んでも3~4万程の内容でリフォームしました。
自社施工なので、人件費を除くと1万円くらいでの施工です。
見積もり16万円が1万円になったのです。
気になる入居付けの結果は、1~2ヶ月程で入居者に選んでもらいました。
おそらく、16万支払っても家賃を上げれるわけではなかったので、結果は、そう変わらなかったと思います。
これは一例にしか過ぎません。
現状回復業者のほとんどは実際に賃貸経営をしたことがない業者で、現状回復後にその物件の入居状況がどうなるのかどうでもよいのです。
現状回復業者に賃貸経営の目線は一切ありません。(当然ですが)
現状回復業者が汚損・破損・交換箇所をチェックして、見積書を管理会社に提出して、その金額で発注が来たら施工するというサイクルを繰り返すだけです。
そして、多忙な管理会社もそのサイクルの中に入ってしまうことが多いです。
一人の大家さんの為に、
「これはキッチン交換ではなく、シート張りで十分綺麗になり、入居は付くのではないか。」
「これは床貼り替えではなく、リペアで問題ないのではないか。」
「量産クロスでは勝てないエリアなので、アクセントクロスが良いのではないか。」
等と考えてくれることはありません。
管理会社は、業者が呈示した内容を確認して、
「確かにクロス汚損で交換が必要だな。」
「確かに古いのでキッチン交換したが良いかもしれないな」
と考えて、大家に見積書を呈示するだけです。
考えてみてください。
管理会社の担当一人で、キャパオーバーの管理戸数を管理し、多くの大家さんと付き合いがあります。
大家さん一人の為に時間は割けないのです。
また、大家さんに積極的に提案して、万が一、入居が付かなかったら・・・。
管理会社のせいにしてくる大家さんも多いと聞きます。
管理会社に任せっきりにして、うまく運用出来る物件は、修繕費が掛からない新築や築浅の物件です。
築古になればなるほど、修繕費をコントロール出来る大家力が必要となってきます。
そして、大家力が無いのであれば、現状回復業者や管理会社が大家力を補えるだけのお力添えがあれば良いのですが、一般的には
【現状回復業者】
大家さんとは利益相反の関係で、大家さんの懐事情はどうでもよい。
なるべく利益とれるように見積もり呈示して、発注が来れば施工。
【賃貸管理会社】
多忙のため基本的に現状回復業者に任せている会社が多い。
必要最低限を行い、大家から相談があれば乗る程度。
という場合が多いです。
新築・築浅のうちは、入居者に選んでもらうことが多くなるため、管理会社に不平不満を持っている大家さんは少ないです。
しかし、上記の状況から、築古になればなるほど、管理会社への不満は募っていきます。
大家さんは、
なんでリフォームしたのに入居が付かないのか。
また、空室になったが、同じようにリフォームして決まるのか。
管理会社が入居斡旋が弱いのではないか。
と考えるようになるのです。
そうなってくると、管理会社の変更を検討されるかもしれません。
変更先の管理会社は、
「うちに任せて頂ければ頑張ります。」
と言います。
しかし、「根本的な問題解決を呈示しない管理会社」や「学ばない大家」であれば、状況が変わることはありません。
たまたま入居が進んだとしても、また同じ状況に陥る可能性があります。
繰り返しになりますが、大家さんは、
「出来るだけリフォーム工事を安く抑えて、入居者に選んでもらいたい。」
と考えています。
一方、現状回復業者は、
「管理会社から指定された単価の範囲で、出来るだけ、売上を上げたい」
「出来るだけ手間を省き、安い材料を仕入れ、利益を取りたい」
と考えています。
では、大家さんはこのような問題点をどのように克服して、築古物件の賃貸経営を行えば良いのかということです。
もし、本気で築古物件を運営していきたいという事であれば、一番は、現状回復リフォームについて、学ぶことです。
どのようなリフォーム補修方法があるのかを学び、実際に現場に行き、管理会社と業者が手配した見積もり以外に費用を掛けずに修繕する方法はないのか頭を悩ますのです。
それが出来なければ、
費用を抑える工夫をするなど賃貸経営目線がある業者に依頼すること
提案力のある管理会社と付き合いをすること。
です。
ただ、そのような業者や管理会社はいないと思って良いと思います。
そうなると自分で築古物件リフォームの知識を付けるしかないという事になります。
そうでなければ、修繕が掛からない新築・築浅の物件を購入検討されることを強くお勧めします。
また、築古物件は、古くなればなるほど、
洋室化工事(大工)、クロス・クッションフロア(クロス屋)
塗装工事(塗装屋)、電気配線工事(電気屋)、水栓交換(設備屋)
など様々な業者による施工が必要になってきます。
その結果、多くの業者による施工が必要で、金額も高額になってきます。
そのため、当社は、賃貸物件の現状回復工事の金額を抑える為には、
多能工職人
による施工も必須であると考えています。
空室の度に、何度も何度も繰り返す現状回復工事は、100点の工事より80点が取れる多能工職人に依頼するのが一番良いです。
各職人の人件費は削れませんので、その人件費を1本にまとめるのです。
今後、建築資材や人件費高騰で、益々、現状回復費は高騰していく中、借地借家法で守られた家賃はなかなか上がらず、苦しい賃貸経営を迫られていると思います。
金利や火災保険の経費はなかなか削れませんが、修繕費の部分は削れます。
また、こんな悩みはありませんか?
繁忙期の現状回復工事なのに管理会社からの見積もり呈示が遅い。
勇気を出して催促したら苦情みたいに扱われる。
いつも、業者の呈示が遅いことを理由にするが、本当か?
当社が自社物件を施工する際は、
➀ 退去前に退去日から約1~2週間後に清掃業者手配。
② 入居者退去後の現地確認と同時に施工開始
という流れをとり、フルリフォームでも、一般的に
1K ~ 1日~2日
1LDK ~ 2日~3日
2LDK ~ 3日~4日
3LDK ~ 4日~5日
で施工が終了します。
※ トイレ、お風呂、キッチン等の交換手配が不要な場合。
清掃が現状回復の最終日ですので、その最終日を事前に決めてしまうことで、なんとしてもその前日までに施工を終わらせる段取りを立てます。
様々な業者の手配が不要だからこそ、出来ます。
この早期施工が威力を発揮するのが、繁忙期です。
その為、発注を受ける際は、出来るだけ、
現地確認→持ち帰り見積算定→後日見積額呈示→発注
という流れから、
現地確認→その場で見積算定→発注頂ければ、その場で施工開始
という流れを取れれば、早期現状回復が可能になります。
もし、管理会社から頂いた見積書で、高額な現状回復費用に悩んでいるという大家さんがいらっしゃれば、当社にお問い合わせください。
当社でも無料アドバイス・無料見積もりは可能です。
新築・築浅物件で、クロスやクッションフロアの張替え程度であれば、管理会社にお願いされた方が関係性もあるので、良いと思います。
