現状回復でお悩みの大家さんへ

Column

高額な現状回復見積もり、
どう向き合うか

築古物件と賃貸経営、修繕費というテーマについて

退去時の見積もりは、なぜ高くなるのか

当社の関連企業である合同会社SHINでは、不動産賃貸業の資産管理法人として、熊本県内で150室以上の賃貸住宅を購入・運営してきました。木造・軽鉄・重鉄・RC、新築から築42年まで、様々な物件を扱う中で、当社が常々感じていたのが「退去時に管理会社から提示される現状回復工事の金額が、本当に妥当なのか」という疑問でした。

一般的な流れは、業者が現地で汚損・破損箇所を確認し見積もりを作成、管理会社がそこに手数料を乗せて大家さんに提示する、という形です。業者の見積もりが本当に必要な工事かどうかを確認してくれる管理会社は、決して多くありません。

築浅でクロスの汚損程度であれば一般的な価格に収まりますが、築古になり汚損・破損・交換箇所が増えると、修繕費をコントロールできなければ賃貸経営は途端に悪化します。不動産投資で「築古は初心者向きでない」と言われるのは、まさにこの修繕費をコントロールする「大家力」が求められるからです。

工事内容を変えれば、費用は大きく下がる

高額な見積もりを前にした大家さんの多くは、「なぜこんなに高いのか」「もっと安くできないのか」と悩みながらも、結局は提示された見積もりを「発注するか、しないか」の二択を迫られます。相見積もりを取っても、同じ工事を頼む限り金額は大きく変わりません。

では、どうすればいいのか。答えは「リフォーム工事の内容そのものを変える」ことです。実際に経験した一例をご紹介します。

Case

築29年・木造ファミリー12世帯の1室。退去時の現状回復見積もりとして、管理会社から60万円という高額な見積もりが届きました。

管理会社:「今回はキッチン交換が必要ということで、高額になっています。」

当方:「キッチンは何か壊れているのですか?現地確認した限りでは、まだ問題なさそうですが。」

業者:「扉の下の表面が剥がれてきているので交換が必要です。」

当方:「まだ使えますし、ダイノックシートを張って対応してもらえますか?」

業者:「そのような施工はしていません。」

自社でダイノックシートを張りキッチンを見栄え良くしました。シート張りが業者発注なら3〜4万円程度、自社施工なら材料費のみの約1万円で完了。キッチン交換見積もり15万円が、材料費のみの約1万円になりました。入居も1〜2ヶ月程で問題なく決まりました。

この事例から考えたことは、大家自ら考え、修繕費をコントロールする知識が必要であるということです。

誰も、大家さんの懐事情を考えてはくれない

現状回復業者の多くは、実際に賃貸経営をしたことがありません。汚損・破損箇所をチェックし、見積もりを管理会社に提出し、発注が来たら施工する。そのサイクルを繰り返すだけで、その物件の入居状況がどうなるかという視点はありません。

管理会社も、担当者一人がキャパシティを超える管理戸数と多くの大家さんを抱えている以上、一人の大家さんのために「これはシート張りで十分ではないか」「これはリペアで問題ないのではないか」と考える時間は割けないのです。

  • 現状回復業者:大家さんとは利益相反の関係。なるべく利益が取れる見積もりを提示し、発注が来れば施工するだけ。
  • 賃貸管理会社:大家側に費用が掛かる問題のため、入居付けの為の積極リフォーム提案は少ない。入居後クレームが出ない程度の必要最低限の現状回復のみ。

新築・築浅のうちは大きな不満が出にくいものですが、築古になるほど「リフォームしたのに入居が付かない」「管理会社の入居斡旋が弱いのではないか」という不満が募り、管理会社の変更を検討される方も増えていきます。しかし、根本的な問題が解決されない限り、管理会社を変更しても状況は大きく変わりません。

大家力を付けるか、賃貸経営目線のある業者を選ぶか

築古物件の賃貸経営をうまく運営していくには、大きく2つの道があります。1つは、大家さん自身が現状回復のリフォーム方法を学び、見積もり以外の修繕方法がないか考えられるようになること。もう1つは、費用を抑える工夫をする「賃貸経営目線のある業者」、提案力のある管理会社と付き合うことです。

正直なところ、そのような業者や管理会社は、ほとんどいないと思って良いと思います。金利や火災保険の上昇は大家さんにはコントロールできませんが、修繕費は大家さん自身でコントロールできる部分です。新築・築浅の物件であれば修繕費の負担は小さく済みますが、築古物件で安定した運用を目指すのであれば、この修繕費のコントロールが運用成否の分かれ目になります。

多能工職人による自社施工という選択

築古物件は古くなるほど、洋室化工事(大工)、クロス・クッションフロア(クロス屋)、塗装工事(塗装屋)、電気配線工事(電気屋)、水栓交換(設備屋)など、様々な業者による施工が必要になります。職人の人数が入れば入るほど、現状回復の費用も高額になります。

当社は、現状回復工事の金額を抑えるためには、複数の職種を一人で担う「多能工職人」による施工が必須だと考えています。空室の度に繰り返す現状回復工事は、100点の仕事より80点を確実に取れる多能工職人に依頼し、各職人の人件費を1本にまとめるのが合理的です。

建築資材や人件費の高騰が続く中、借地借家法に守られた家賃はなかなか上がりません。金利や火災保険の経費は削れませんが、修繕費の部分は、工事内容と発注の仕方次第で削ることができます。

当社の施工スピード

「繁忙期なのに見積もり提示が遅い」「催促したら苦情のように扱われる」——こうした管理会社・業者への不満を抱えている大家さんも少なくないと思います。

当社が自社物件を施工する際は、退去日の1〜2週間後に清掃業者を手配し、入居者退去後の現地確認と同時に施工を開始します。トイレ・お風呂・キッチン等の交換手配が不要な場合、おおよそ次のスピードで完了します。

1K2日〜3日
1LDK3日〜4日
2LDK4日〜5日
3LDK5日〜6日

様々な業者の手配が不要だからこそ実現できるスピードで、特に繁忙期の早期復旧で威力を発揮します。理想的には「現地確認→その場で見積算定→発注頂ければその場で施工開始」という流れを取れれば、より早期の現状回復が可能になります。施工内容次第では、当社では施工不能で、協力企業に応援を求める場合もありますが、その際は施工日数が伸びる可能性もありますが、当社が責任をもちます。

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